現役時代に少々軍歌に触れる機会がありましたので、私の独断で選んだ軍歌を7つ紹介したいと思います。
今回選んだのは背景等を余り考慮せず、私個人の琴線に触れる物を選んだだけなので異論は認めます。
音源によって歌う時のクセや歌詞が微妙に違っていますが、ネット上にアップされている曲を聴き漁り、自衛隊式に最も近い歌い方の動画を厳選しています。
また、軍艦マーチの引き合いに出している曲も、演奏者の癖や技術を考慮して最も良かったものを選んでいます。お時間と回線速度に余裕がありましたら是非聞いていって下さい。
軍歌を知らない方も「食わず嫌いをせずに聞いてみたら良かった!」という曲も有るかも知れませんので、是非聞きながら記事を読んで下さい。
アップロード者が全員違うので、音源のレベル調整が甘い動画がいくつかあります。
再生時は音量に注意して下さい。
行進曲「軍艦」(軍艦マーチ)
2番の歌詞は「いわき」ではなく「いはき」なのですが、現代語訳された時に「いわき」となってしまったようで「いはき」と歌っている音源が見つからないので諦めました。
言わずと知れた日本の「軍歌オブ軍歌」とでもいうべき曲で、世界3大マーチとする見方もありますが日本限定の意見です。
私は軍艦マーチを聞くたび若干涙腺に来るほど大好きですが、「威風堂々」「トルコ行進曲」「ラデツキー行進曲」「双頭の鷲の旗の下に」「旧友」等の名曲に音楽性で並んでいるかと言われればNOと言わざるを得ません。
音楽として評価した場合、(作曲者が違うため仕方ない部分もありますが)トリオとして挟まれている「海ゆかば」の主旋律が軍艦マーチの雰囲気と全く合っておらず、曲全体の調和を乱し品質を低下させる原因となっています。
「海ゆかば」単体では存在していないベースラインは良い仕上がりになっているので、「海ゆかば」の主旋律を無くした方が良いと思う派です。
しかし、現在の日本でも海上自衛隊が儀礼曲として演奏するだけではなく、北電子の「ジャグラー」等にも使用されたり、戦後に子供の間で非常に下品な替え歌が流行ったりするくらい日本国民に受け入れられている上に、中国の幼稚園で流されたり、韓国のバラエティ番組で流されたり、ミャンマーの公式軍歌にもなるくらい国境を越えて広く愛された曲です。
空の神兵
帝国陸軍落下傘部隊(第1挺進集団)のテーマ曲で、現在の陸上自衛隊 第一空挺団にも受け継がれています。
富士総合火力演習で運良く第一空挺団の降下が見られるとこの曲が流されます。
非常に格好いいので、見た事が無い人は頑張って総火演のチケットに応募しましょう!
当選しても当日の天候や風次第で飛ばない事も多く、見られない事が多いので運が必要です。
軍歌というよりは歌謡曲に分類される歌なのですが、音楽として非常に気に入っているので選びました。
ややマイナーな曲なので聞いた事が無い人は是非聞いてみて下さい。
若鷲の歌(予科練の歌)
現在の土浦駐屯地(武器学校)が土浦海軍航空隊だった頃、海軍飛行予科練習生(予科練)募集するために作られた戦時映画『決戦の大空へ』の主題歌として作られ、広く一般に知られた曲です。
「The 軍歌」といった曲調で勇ましさが前面に押し出されています。
通常の戦闘機パイロット育成学校の為に作られた曲で、決して特攻隊のための曲ではありません。悲しい表現などは無いので安心して聞いてください。
加藤隼戦闘隊
この記事に載っている軍歌自体私の独断で選んでいる物ですが、この歌は特にその傾向が強いです。
加藤隼戦闘隊の事はよくわかりませんし、曲を聴いた時に気に入ったので7選に入れています。
聞いてテンションが上がる系の軍歌で、良い曲なのでぜひ聞いてみて下さい。
艦隊勤務月月火水木金金(月月火水木金金)
最後の「ィイヤァッホゥ!ありがとう」は余計ですが、それ以外は非常に上手かったのでこの動画にしました。
決してブラック企業の歌ではありませんし、金金と二日続くからカレーが二日連続で出る訳でもありません。
戦時中は休日返上して働きなさい(勤務礼賛)の意味でも使われたようですが、戦時中に対してそういったイメージはあるものの、裏が取れている訳ではありません。
軽快で明るくさっぱりとした曲調で歌詞も爽やかなのですが、どうしても最後の「月月火水木金金」の部分で、音楽以外の所からダメージを与えてくる曲です。
同期の桜
こちらも有名な曲で、戦争で散っていく姿を桜花に喩えた曲です。
日本人はとにかく桜が大好きで日本軍時代から様々なモチーフに使用され、自衛隊でもほぼ全ての階級章や帽章、桜花章などに使用されています。
(私の名前もここから取りました)
しんみりとしたもの悲しい曲調の歌で、1番、2番と歌い進めていくと物語が進んでいきますが、毎回半分ほどが固定された歌詞なので中々進まないのが玉に瑕です。
聞いていてテンションが上がるタイプの曲ではありませんが、終戦間近の悲壮感が漂う曲なので1度聞いてみて下さい。
抜刀隊(陸軍分列行進曲)
西南戦争の際、帝国陸軍側の視点で作られた曲です。
その後、帝国陸軍の行進曲として採用され、現在でも陸上自衛隊や警察で使用されています。
本当は6番まであるのですが、歌詞の内容がアレなので一般的に流通しているのは2番までとなっています。
歌詞の内容について少し触れます。
1番では主に敵の凄さを語っています。
「敵の大将たるものは古今無双の英雄で」というのは西南戦争の反乱軍盟主である西郷隆盛さんの事を指していて、「それに従う兵はともに剽悍決死の士」「鬼神に恥じぬ勇あるも」等と、敵が同じ日本人のためかほかの軍歌より敬意を払っている事が窺えます。
2番では抜刀隊の気持ちを語っています。
また、間違われ過ぎているのですが、皇国の風ではなく風です。
明治維新後、没落してしまった武士が再び日の目を見る事の出来た喜びが表現されていますが、2番の後半から6番までは死ぬ事を前提にしている感じなので2番で切って正解だと思います。
元々相手の悪口のような歌詞より、味方を奮起させる歌詞の方が利いていて気持ちが良いので選びましたが、中央観閲式等で辛い思い出がある曲なので個人的には微妙な気持ちになってしまう曲です。
少年工科学校校歌(番外)
防衛大学とどちらにするか悩んだのですが、どちらの歌も公式の音源がネットに転がっていないので、まさかのミクさんが歌っている動画のご紹介になってしまいました。
調教が若干甘く抜けてる感がありますが歌そのものはかなり良く、特に4番の歌詞が良いので是非聞いてみて下さい。
ツテを使ってオリジナルの音源を入手したらアップします。
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