今回は自衛隊の演習や訓練のあるあるを紹介します。
演習は大好きor大嫌いの両極端
徒歩行進(行軍)や穴掘り等の長肉体労働である演習ですが、殆どの隊員はキツい、寝れない、数日は汗まみれ等の理由から嫌厭しています。
しかし、「頭を一切使わず指示に従っているだけで良いのが楽」という隊員や、そもそも演習が大好きな隊員も少数ながら存在しています。
徒歩行進で歩きながら寝る
徒歩行進の時程が「夕方~明方」で行われる場合は、AM1時~4時という非常に眠くなる時間も歩き通しになります。
疲労のピークに達している時間帯という事もあり、歩きながらウトウトしている隊員も少なくありません。
寝ているため道が曲がっているのに気付かず直進してしまったり、足を踏み外して崖から落ちそうになったりする隊員もそこそこいます。
野外で用を足すのに抵抗が少ない
もちろん小ではなく大の話です。
演習中はトイレに行く事が出来ないので、野山の中でする事になります。
やってみるまでは凄く抵抗がありましたが、実際にやってみると意外と大した事が無いので、外でする事の抵抗感が無くなります。
他人がした場所を掘り当てがち
野外で大をするのに適した場所の条件はいくつかあります。
①道路から離れている
②周りから見えにくい茂みがある
③人が通る可能性が低い
演習場内で上記の条件を満たす場所はそう多くないので、自分がしようと思った所を掘り返したら「先客」がいる事があります。
しかし他の場所を探し直すのも面倒なので、少しだけ避けてする事が多いです。
演習中に大の話で盛り上がる
演習中は疲労や寝不足でテンションがおかしくなっていて、笑いのツボやハードルが通常時では考えられないくらい低くなっています。
この状態だと脳内が小学生男子になっているので非常にくだらない事で笑い転げたり、WACを交えて下ネタトーク(非エロ)をしたりする事もしばしばあります。
漆で偽装してくる隊員がいる
演習場には稀にヤバい麻や芥子が自生していますが、新隊員は草の事が良くわからないのでその辺りから適当に草を取って付けてきます。
特に実害が出るのがヤマウルシで、採取された後も暫く汁を垂れ流します。
汁には漆かぶれを起こすウルシオールという成分が含まれていて、汁がそこら中にまき散らされると皮膚トラブルの原因になるので取ってきた隊員は物凄く怒られます。
しかし、そういうのを取ってくる隊員に限って漆に耐性がありかぶれません。
ハゲがち
自衛官は警衛や演習で長時間ヘルメットを被り続ける事が多いためハゲやすいです。
訓練が最も盛んな夏に数日間風呂にも入れず、1日の内20時間はヘルメットを被りっぱなしで運動を続け汗をかきます。
文字にしているだけで痒くなってきますが、演習中は本当に頭が痒くて仕方がありません。
「白バイ隊員がヘルメットを外すと残念」という俗説は自衛官にも該当します。
穴掘りが上手くなる
現代の日本で本格的な穴掘りをした事がある人は稀だと思います。
穴掘りにもコツがあり、瓦くらいの厚さの土を剥がしていくように掘ると効率よく掘る事ができます。
木の根や岩などの障害物がなく、非常に重い粘土層でなければ直径1m深さ1mの円柱状の穴を1時間もあれば一人で掘る事が出来るようになります。
演習中にクマなどの野生動物の目撃情報が出回る
演習場は自然の山に近い状態で残っているので野生動物や、生物ではないナニカも多くいます。
ナニカの話はここでは置いておいて、熊や鹿が出ると目撃地点や逃げていった方向などの情報が回ってきて注意を促されます。
野生動物は普通に遭遇するだけなら逃げていくので特に害はありませんが、逃げている途中で人に遭遇すると「逃げ場がない」と勘違いして襲い掛かってきます。
ツキノワグマでも十分に危険なため、熊警報が出て訓練が一時中断される事もあります。
メイク落としに詳しくなる
演習中は常にドーラン(緑や黒のファンデーション)を顔、首、耳に塗っていなければならず、摩擦や汗で薄くなったら一度綺麗に落として塗りなおします。
ドーランを落とす作用の高いものや、保湿効果の高いもの、携行性に優れるものなど、男性でもメイク落としに詳しくなります。
塹壕足になると痛くて辛い
演習中に雨が降ると靴の中までびしょびしょになりますが、放置していると「塹壕足」と呼ばれる、お風呂に長時間入って手足がふやけた状態の数倍酷い症状になります。
これになると、歩くたびに靴の中に入った石を踏んでいるような痛みが続くので辛いのですが、命に別状はないので我慢し続けなければなりません。
画像を載せるか迷いましたが、絵面が汚いので気になる人だけ「塹壕足」で検索してみてください。
ソフトサラダ、おやつカルパス、魚肉ソーセージ、おやつラーメンが好き
大体どこの部隊でも演習中の定番おやつといえばこれです。
ソフトサラダ
どこの部隊でも大人気!間違いなく人気No.1!(私調べ)
美味しいだけでなく、煎餅はGI値が高いので食後すぐに血糖値が上がりエネルギーとして利用できるため理に適っています。
塩分も同時に摂取でき、もうひと頑張りする時のお供に最適です。
魚肉ソーセージ
普通のソーセージと違い常温でも腐りませんし、持ち歩いても音が出ない優れものです。
ポケットに入れるにはやや大きいので、防護マスクの下に隠して持ち歩く事が多いです。
(防護マスク袋に防護マスク関連以外の物を入れるのは禁止されています)
おやつカルパス
こちらも常温で腐らず、小さいのでポケットに入れて携帯可能、濃い目の味付けが塩分補給に丁度いい優れものです。
特に欠点は無いのですが、これを食べるとお酒が欲しくなるのが玉にキズです。
おやつラーメン
演習中の一息付けるタイミングで食べられるご褒美です。
半分に割ってコップに入れ、お湯を注げば簡易チキンラーメンの出来上がりです。
演習中にこの1杯を食べるのは至福のひと時ですが、お湯を入れた直後にゲリラが襲ってきたりするのも演習あるあるです。
足が水虫&臭い
演習が終わるとすぐに汗まみれで気持ち悪い迷彩服を換えますが、同時に何日も履きっぱなしの半長靴も換えます。
どんなに美人で可愛いWACでも、汗まみれになって何日も半長靴を履き続けていれば足は臭くなりますし、水虫になる可能性も高くなります。
たまに風上にも臭ってくるほど強烈な悪臭を放つ隊員もいて、そういった隊員は遠くまで移動するよう命じられ、靴の履き替え、消臭&除菌シートで手入れ、脱いだ半長靴や靴下の封印(ジップロックなど)をしなければ天幕に入れてもらえません。
演習の〆は宴会
演習が長期間だった場合、寝不足や疲労が溜まっている状態で公道を運転させる事は非常に危険なので演習場で1泊休んでから帰ります。
この時の飲酒は本来禁止なのですが黙認されていて、ここで宴会をするために出発段階から色々とこっそり持ち込んでいる部隊は多いです。
演習後に家に帰ると家族に「臭い!」と怒られる
長期間汗にまみれているので、演習に参加した隊員は嗅覚疲労を起こしています。
本人は臭くないつもりなのですが、管理宿営で少し手入れした程度で臭いが落ちる訳もなく、嗅覚が正常な家族の元に帰ると汚物扱いをされてしまいます。
訓練成果が「概要を概ね習得する」
とても1回の訓練で習得できるような内容でなくとも、訓練の成果は報告しなければなりません。
そんな時によく使われる表現が「概要を概ね習得した」です。
概要=概ね、様々な物事を、全体を大まかに表現するのに都合のいい言葉である。
概ね=およその趣旨。大体。あらまし。
つまり「大まかな部分を大体習得した」という意味で、習得の割合が低くても使える便利な言葉です。