中国軍の規模と尖閣を狙う理由

 TAMUさんが毎週発刊している「しんぶん桃旗」の第71弾(8/2発刊)に掲載して頂いた「ネトウヨ自衛官の国防解説」の公開許可を頂きましたので、ブログでも記事を公開させて頂きます。

 一部気になる言い回しや、画像の引用元などを修正してありますが掲載されたものと内容は殆ど同じです。

 大きいサイズで見たかった方は是非もう1度読んでみて下さい。

(注)記事中のグラフや画像は令和二年度防衛白書から引用しています。
   中国の国防費のグラフ中2007年の棒グラフの色を改変しております。

中国の脅威

 111日連続で記録更新が途切れましたが、再度81日連続で中国海警局の船舶が接続水域に侵入しています。(12月1日現在)

 なぜ近年、中国がやたらと強気に出ているのか?その理由を解説させて頂きます。

圧倒的な国防費

1989年から2020年までの中国国防費の推移
令和2年度防衛白書より引用

 上表を見て頂ければわかりますが、2007年に日本の国防費を超えた中国は年々国防費を増加させ、今や日本の4倍もの金額となっています。

 これはダントツで世界最高額のアメリカ(約70兆円)に次いで2位であり、3位以下を大きく突き放している金額です。

 しかし、この数字は研究開発費などを含まない数字とみられ、実際の金額はこれよりも1~2割多いと見られています。

 一方、日本は20年間ほぼ横ばいで30年間でも1.2倍にしかなっていません。

圧倒的な軍事力

 「中国軍は旧式装備で故障も多く、使い物にならない兵器で構成されているから弱い」という認識は過去の物となっています。

 上記の潤沢な国防費の投入や、国内の企業を意のままに操れる中国共産党の権力、ロシアやウクライナ等から輸入した兵器の違法コピースパイ等による違法な情報収集により非常に速いペースで研究・開発が進み、急速な近代化を見せています。

 特に顕著なのが航空戦力で、F-15に相当するJ-10&J-11を約800機、F-22またはF-35に相当するとされるSu-35J-20を46機所有しています。
(航空自衛隊はF-2からF-35まで全部かき集めても380機)

 これらの戦闘機は中国の国産ではなく、ロシアが開発した戦闘機のライセンス生産or違法コピー品なので、一定以上の性能は有していると見るべきです。

 中国が日本を攻める際は主に海上兵力と航空兵力が投入されますが、所有している船の数は5倍、排水量(船の大きさ)は4倍。戦闘機の数は8倍程度まで差をつけられてしまっているのが現状です。

各国の軍備比率
令和2年度防衛白書より引用
中国軍装備品内訳
令和2年度防衛白書より引用

力を背景にした海路・海底資源の確保

 さて、今や強大な軍事力を手に入れた中国が尖閣諸島や台湾を狙う理由は主に2つあります。

 1:太平洋への海路の確保
 2:島周辺の漁業権及び海底資源のガス・レアメタルの採掘権

 2は皆さんご存じだと思いますので、1を説明致します。

 まず、中国軍の活動状況を表す逆さ地図を見て頂きましょう。

領海・領空侵犯発生個所の地図
令和2年度防衛白書より引用

 中国の気持ちになったら日本と台湾メッチャ邪魔ですよね。
 少なくとも私が中国人だったら「沖縄とか超ウゼェ…」と思います。

 中国の首都北京や上海がある膠州湾付近(海上協力2019をやった湾)から船で太平洋に出る際、日本や台湾の排他的経済水域に入らないように外洋に出る事が不可能になっています。

 中国の気持ちになったら、尖閣諸島どころか沖縄や奄美大島、屋久島や種子島も欲しくなってくると思います。

 中国は建国100年となる2049年までに「一帯一路」という陸と海の流通網を構築する事を表明していて、太平洋海上シルクロード構築の障害となる尖閣諸島を狙っています。

 2020年に限らず、接続水域侵入は実効支配の実績作りとなっており、竹島と同じ轍を踏まないためにも早急な対策が求められています。

尖閣諸島接続水域侵入日数表
令和2年度防衛白書より引用

最後に

 中国はアメリカ抜きなら日本に勝てるレベルの軍事力を持っています。
 アメリカに頼らないと日本は自力で国を守る事は出来ないという事です。

 しかし、最近他国を侵略する際の主流となっている「ハイブリット戦」には単独で立ち向かわなくてはなりません。

  日本はもっと政治家が積極的に動かなければ、あっという間に中国に飲み込まれてしまうと思います。

 ハイブリット戦ってなに?という方はこちらの記事をどうぞ。

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