自衛隊の代表的な手当一覧

 自衛隊の手当は様々な物があり、主に防衛省職員給与施行細則に定められていますが、色々と散らばってしまっているため代表的な手当をまとめてみました。

 民間企業の手当などと比較し、自衛隊に入る際の参考にして下さい。

 自衛隊に存在する代表的な手当は以下の通りです。

営外手当

 結婚などで営外居住を許可された隊員には、毎月¥6,020が支給されます。

地域手当

 勤務している駐屯地が所在する市区町村によって、給料の3%~20%の手当が支給されます。(支給されない駐屯地もあります)

 ちなみに朝霞駐屯地の所在地は埼玉県朝霞市ではなく、東京都練馬区なので「東京都特別区」扱いになります。(東京都特別区とは23区の事です)

地域手当一覧表

 主に地域差による家賃の差額を補填する目的の制度ですが、家賃のかからない営内者にも支給されるので、純粋に収入の差となっています。

 割合の低い地域から高い地域へ異動した場合、瞬時に支給額が上がります。
 しかし、逆の場合は徐々に下がっていきます。

 例:20%→10%の地域へ移動した場合。
 1年目:20%
 2年目:16%(20%の8割)
 3年目以降:10%

 異動日=給料日ではない為、変更される月は日割りで計算されます。

広域異動手当

 勤務地の異動をした場合、勤務地同士の距離によって3年間手当が支給されます。

 上記の地域手当とトレードオフな関係の手当で、地域手当と比較してより高い方が支給されます。

 勤務地間の距離
 60km~300kmまで:5%
 300km以上:10%

住居手当

 営外居住を許可された隊員が、賃貸住宅に住む際に支給されます。
 持ち家の隊員や、営内者の下宿には支給されません。
 家賃の半額まで支給されますが、28,000円が上限となります。

 余談ですが、官舎(公務員住宅)に住む場合は住居手当は支給されません。
 安さがメリットの官舎でしたが、公務員叩きによって官舎の家賃が大幅に引き上げられたため、官舎に入るメリットが殆ど無くなってしまいました。

災害派遣手当

 通常の作業なら日額で1,620円、作業が著しく困難な場合は日額3,240円となります。

 ご遺体を取り扱う業務をした場合は、1日当たり+1千円、取り扱うご遺体の損傷が激しい場合は+2千円となります。

夜勤手当(警衛)

 警衛勤務をすると、シフトによって490円か980円の手当が支給されます。

 具体的な事は部内限りなので言えませんが、しんどい時間帯に働いている方が高くなります。

寒冷地手当

 主に東北以北の部隊と積雪地の部隊に支給される手当です。
 積雪地は、暖房器具や除雪機等の冬に使用する資材が多いので、それらの補填です。

寒冷地手当一覧表

 寒冷地の等級などによって11月~3月までの間、毎月7,360~26,380円が支払われます。

通勤手当

 公共交通機関通勤者
 6箇月定期券等の価額により一括支給されます。
 ただし、一ヶ月当たり55,000円が支給限度額となり、特急料金は認められません。

 自動車等の交通用具使用者
 通勤距離に応じた月額(2,000円~31,600円)が毎月支給されます。

 また、健康のため駆け足や自転車等の通勤手段は、合理的な理由の無い限りは認められません。無断でしていた場合、事故に巻き込まれても労災(公務)認定されません。

扶養手当

 扶養している家族がいる場合、下記の金額が支給されます。

(支給額)
父母等 6,500円
配偶者 6,500円
子 10,000円
子(16歳年度初め~22歳年度末) 加算 5,000円

単身赴任手当

 配偶者の住居と赴任先の交通距離に応じ、月額30,000~100,000円が支給されます。

落下傘隊員手当

 防衛省の職員の給与等に関する法律施行令に記載されています。

 第一空挺団などの落下傘部隊に所属している隊員には、毎月俸給の33%が支給されます。

落下傘降下作業手当

 落下傘隊員の範囲及び落下傘降下作業手当の額に関する訓令に定められています。

 階級や身分によって降下1回あたり、2,800~6,300円が支給されます。

航空手当

 陸上自衛隊では、ヘリパイロットや機上整備員に俸給の60%が支給されます。

不発弾処理手当

 不発弾の状態や危険度に応じて、750円~10,400円が支給されます。
 信管が死んでいる事が殆どなので、だいたい1番安い金額です。

特地勤務手当(離島手当)

 硫黄島などの著しく不便な場所(離島)に勤務する事となった場合に、離島の等級によって給料の4~25%が支給されます。

特地手当一覧表

感染症看護手当

 自衛隊病院などで勤務する自衛官が、感染症患者の対応をすると1日当たり¥290が支給されます。

 今回の新型コロナウィルスへの対応は、災害派遣扱いになったので1日あたり¥1,620でしたが、特例で1日当たり4,000円が初日まで遡って支給される事になりました。

おまけ

 特殊な手当は省いていますが「陸上自衛隊に入ろうかな~?」と考えている人の9割以上には応えられていると思います。

 労働条件をまとめている記事もありますので、入隊を考えている人は参考にしてみて下さい。

 自衛隊の休暇制度の紹介もしていますので、宜しければこちらもご覧ください。

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