大隊間の有線敷設
訓練規模が連隊以上の時は、複数の大隊が参加しているため、大隊指揮所~連隊指揮所間の有線の敷設が必要になってきます。
大隊同士の展開地はkm単位で離れている事も珍しくない為、敷設には物凄く労力がかかります。
そのため平地や道路沿いに敷設する際は、車の荷台部分にJRL-159/Uを糸車のように固定し、車を走らせて敷設したりする場合もあります。
また、出来るだけ避けますが、敷設時にどうしても道路を渡さないといけない時に活躍するのが「アルマジロ」です。
通常この手の商品は車両に轢かれたくらいでは問題ありませんが、自衛隊の演習場ではケタ違いに重く、タイヤすら履いていない戦車や装甲車も走ります。
また、道路上にこんな物を放置されていると非常に目立ち、有線を敷設している事がバレてしまうので、アルマジロごと地面に埋めます。
車向変換
ここまで陣地構築を進めたら、そろそろ空が白んでくる頃です。
自衛隊では「日の出」や「日の入り」で昼と夜を分けていません。
日の出前や日の入り後の、第二薄明という時間まで昼扱いになっています。
専門用語でいうと、日の出前をBMNT、日の入り後をEENTと言います。
BMNT
beginning, morning nautical twilight
航海薄明時刻、第二黎明開始時刻
EENT
end, evening nautical twilight
航海薄明終了時刻、第二薄暮終了時刻
日の出前でもだんだん明るくなりよく見えるようになってくるため、よりしっかりした偽装が必要になってきます。
車両にかけただけの偽装網をしっかり展張し、すぐに離脱できるように車両を出船の状態にします。(車の正面を道路側へ向ける事)
併せて指揮所の偽装網も展張し、より高度な偽装を施します。
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