【半忘備録】自衛隊の演習場訓練について

訓練風景 自衛隊

徒歩行軍(20km)

 まず訓練の最初は徒歩行軍から始まります。
 距離は訓練毎に変わりますが後方職種だと20~50kmくらい、戦闘職種だと40km~100kmくらいです。
 今回は2夜3日の想定なので、最短の20kmで訓練の時程を進めようと思います。

 徒歩行進の基本
 50分歩いて10分間小休止(休憩)のサイクルを1行程と言い、平坦な道なら1行程で4km歩きますが、急な上りや下りが続く場合は距離ではなく時間で区切られます。

 部隊の先頭で全体の歩く速度を決めるペースメーカーを何度かやりましたが、歩くペースを一定に保つ事が非常に難しかったです。

 序盤は速く、登り坂や終盤は疲れて遅くなってしまいがちで、部隊の隊員に無駄な体力を使わせてしまった苦い思い出があります。

 完歩するには20kmなら約5時間ですが、50kmだと14時間近く歩かなければならないので非常に大変です。

 非常に良い動画が有ったのでリンクを貼っておきます。
 雨も降ったようで、行軍の雰囲気が良くつかめると思います。

 晴れていればまだ良いのですが、雨が降っていると本当につらいです。
 ちなみに、どんな豪雨でも雨が降っているから中止という事はありません。

 自衛隊の雨衣はゴアテックスなどではなく、撥水加工されているだけのナイロン布なので摩擦でどんどん効果が薄れます。
 歩いているとどんどん効果が無くなり、雨衣を着ていてもすぐにじわじわと雨が染み込んできます。全身濡れた上に迷彩服が重くなるので、その後の訓練がキツくなります。

 また、雨衣を着ていると熱が篭るので汗をかきやすく、服の重さも相まって体力を奪われるので、同じ距離でも晴天時と荒天時の完歩の難易度は全く違います。

 大休止
 徒歩行進には、4~6行程おきに40分間の大休止という食事休憩があります。
 動画では道端で食べていましたが、敵に発見されるリスクが高まるので林の中に入って食事をします。

 この時に食べる物は、自衛隊から事前に戦闘糧食Ⅰ型(缶飯)が支給されますが、自分で持って歩かないといけないため、重くかさばる缶飯を持ってくる人は余りおらず、殆どの人は買ってきた市販のパンで済ませます。

戦闘糧食Ⅰ型
引用元:神奈川地本HPより

 パンは軽くて食べた後には袋しか残らない優れものですが、缶飯以外の物を食べている所を統裁官に見つかると評価に響くので陰でこそっと食べます。

 今は缶飯の生産が終了し戦闘糧食Ⅱ型(パック飯)になったので、かさばりますが軽くなり一考の余地は有ると思います。

戦闘糧食Ⅱ型
(写真はパック飯、防衛省・自衛隊公式HPより リンク先に中身の写真等があります)

 徒歩行軍完了!
 演習場の中や、場合によっては一回外に出て歩き回った後に、出発した所まで戻ってきます。

 今回のように20kmを5行程で歩く予定の場合は行軍中に大休止を取らない事が多いので、行軍後に着替えや食事、ドーランの塗り直し等で少し時間を貰えます。
 が、本当に必要最低限で殆ど休めず次の訓練に移ります。

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