自衛隊に入ると〇〇が制限される!

自衛隊

 この記事では、自衛隊に入ると制限がかかる事を広く浅く紹介していきます。

 それぞれ理由を解説すると長くなってしまうので、個別に解説した記事を作成しています。
 宜しければそちらもご覧下さい。

兼業・副業

 これは公務員全般について回る制限事項ですが「職務に専念する義務」や「私企業からの隔離」という規定があります。
 自衛隊では課業時間外も様々な事を禁止しており、具体的に下記のものが挙げられます。

自衛官の出来ない副業
①アルバイト等の労働。
②自分で事業を営んだり、会社の役員になる。
③NPO法人の役員になる。(会員はOK)
④転売
⑤運営しているブログにGoogle AdSense等のアフィリエイト契約をする。
⑥運営しているYouTubeチャンネルでパートナープログラムに参加する。

 細部の説明は長くなるので、専用の記事をご覧下さい。

海外旅行

 自衛官になると旅行に行ける国に制限がかかり、気軽に海外旅行に行く事はできません。

外務省 海外安全ホームページ
海外に渡航・滞在される方々が自分自身で安全を確保していただくための参考情報を公開しております。

 上のリンクは外務省が公開している「国別にどれくらい危険があるかをレベル0~4までの5段階で表した世界地図」ですが自衛隊でもこれに近いものを採用しています。

 自衛官が行ける国はこのマップでレベル0と1の国のみですが、国の防衛に関する様々な知識を有しているため、渡航先の当局に不当に拘束されるリスクもある事から、レベル0であっても制限がかかる国もあります。

 もっと詳しく知りたい方は、こちらの海外旅行に関する専用の記事をご覧下さい。

SNSの利用

 今の時代、生活に欠かせなくなっていると言っても過言ではないSNSも、自衛隊に入ると自由に使えなくなってしまいます。

SNSとはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、自衛隊ではインターネット上で文字、画像、動画などがやり取りできるすべてのサービスを対象としています。

 自衛隊でSNSと定義している物
 LINE、Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、TikTok、ニコニコ動画、pixiv、5ch、mixi、ブログ、荒野行動などのネットゲーム、出会い系サイトや各種インターネット掲示板など

 「週末に彼女とデート、楽しみだなぁ」などの完全に私的な内容を勤務時間外に投稿するのは問題ありません。

 しかし勤務時間中に投稿する事や、政治に関する投稿勤務内容に関する投稿は禁止されています。

 SNSの制限に関する専用記事がありますので、細部はこちらをご覧下さい。

結婚

 幹部自衛官は外国籍の女性と結婚すると、安全保障上の観点から出世できなくなります。
 詳細はこちらに記載させて頂きました。

一部の自衛官は外国籍の人と結婚できない!|桜花@元陸上自衛官
これは特別防衛秘密を扱う職種や高級幹部が主な対象ですが、結婚そのものがダメなのではなく外国籍の配偶者を持つと重要なポストから外されたり、出世ルートから転落します。  これはどこの規則にも記載がない事項なのですが、人事的にそうなっています。 ...

住む場所の制限

 自衛官は入隊すると必ず駐屯地の中(営内)に住む事になります。

 私物家電の電気代以外は何もかからないので金銭的にはかなり楽ですが、平日の課業外や休日に色々と都合良く使われたり、定期的に部屋の点検があるため清掃が欠かせなかったり、外出が許可制だったりと制限が多いです。

外に住むためには下記のような条件があります。

①幹部自衛官になる。(原則外に住まなければならない)
②1曹、曹長の階級になる。(外に住む事が出来る)
③2曹かつ30歳以上になる。(外に住む事が出来る)
④結婚する。(ただし外に出るのは入隊後2年以上経ってから)

 外に住めない根拠などが気になる方は、こちらの記事をご覧下さい。

宗教活動

 信教の自由は憲法20条でも保障されているので隊員にも適用されます。

 ただし、オウム真理教の流れを汲む宗教団体(アレフ等)や、暴力で政府に敵対する意図のある団体への所属は禁止されています。

 また、駐屯地内や課業時間中に周囲の迷惑となる宗教の儀式や、同僚の隊員の勧誘も禁止されています。

 しかし、祖父母が亡くなり代々受け継いでいる祭具の継承に必要な場合は、特別休暇の期間を父母と同等にしてくれるなど一定の配慮は有ります。

 内容は薄いですが置いておきます。

宗教行為に関する通達

政治的活動

 自衛官は入隊時に服務の宣誓という「自衛隊に入るからには覚悟を決めて頑張ります!」みたいな誓いを立てさせられるのですが、その中に「政治的活動に関与せず」という1文が含まれています。

 また、自衛隊法や自衛隊法施行令という法で政治的活動は禁止されていますが、国民の権利として選挙権は有ります

 上司が部下に「今回の選挙は〇〇党がおすすめだよ」などと言った日には即刻懲戒処分モノで、厳密には身内同士でも「〇〇党に投票した」とかを喋ると先述の規則に引っ掛かりますので奥さんに聞かれても絶対に言わないという方もいます。

 もっと詳しく知りたい方は、こちらの専用記事をご覧下さい。

外出・外泊

自衛隊には有事に備えるために、常に一定の人員を駐屯地内に残しておく制度があります。
 その人員は、駐屯地に住んでいる隊員(営内者)が指定されますが、それを「残留」といい、陸上自衛隊服務細則で人数を定められています。

(外出の許可)
第 64 条 許可権者は、隊務に支障のない限り、緊急連絡時の操縦手及び営内監視要員等を除き、営内に居住する陸曹及び陸士の外出を許可することができる。
2 緊急連絡時の操縦手及び営内監視要員等の残留基準は、次表のとおりとする。

陸上自衛隊服務細則
残留人員数基準表

 若手は残留を多く付けられ、ベテランは月に1日くらいと大きく差が出ます。
 入隊してから2~3年程は、週末に残留が付かないのは半分以下くらいだと思って下さい。

 また、GWやお盆、正月なども残留があるため、長期休暇がぶつ切りになる事も少なくありません。

私有車の購入

 営内者は、車の購入する場合は部隊長の許可を取らなければなりません。
 これは規則には書いていないのですが、服務指導の観点からどの部隊でも実施しています。

 具体的には、「頭金を支払った後の貯金額が〇〇万円以上なければならない」といった趣旨のものが多く、返済が滞る事のないようにするためだと思われます。

 金額は部隊によって差がありますが、50万円くらいの所が多いと思います。

 また、駐屯地内に営内者用の駐車場が無い場合は、駐車場の契約書を提示しなければなりません。

退職

 自衛官には労働基準法が適用されないので、2週間で辞める事はほぼ不可能です。
 特に、自衛官候補生として採用された隊員の任期満了以外での退職は異常なほど引き留められます。

 「親の同意はあるのか」「就職先は決まっているのか」「住む場所はあるのか」等々、根掘り葉掘り聞かれた上「任期の途中で辞めるのは無責任じゃないのか」などの圧力をかけてきます。

 嫌になって脱柵(逃亡する事)すると、部隊総出で追いかけてきますので、やめた方が良いです。詳細はこちらの記事をご覧ください。

 話が逸れましたが、自衛官が定年や任期満了以外で退職するためには、通常2~3ヶ月必要なので、気軽に転職は出来ません。

まとめ

 気になりそうな制限は網羅したつもりですが、いかがでしたでしょうか?

 この記事はサラッと紹介するのが目的なので深く掘り下げませんでしたが、気になる方や時間のある方は、専用に解説している記事をぜひご覧になって下さい。

 また、この記事にリクエストを頂ければ記事化していきたいと思います。

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