【半忘備録】自衛隊の演習場訓練について

訓練風景 自衛隊

先発隊の出発

 部隊が展開地(目的地)へ移動する時は、先発隊と本隊の2つに分けます。
 先発隊とは、本隊より先に展開地に侵入する少人数の部隊で、展開地の安全の確認と本隊の受け入れ準備、応急支援体制の確立等が主な任務となります。

 先発隊が出発した後に本隊は何をしているかというと、車両の中で待機という名目の休憩や仮眠をしています。
 私は数多く山に行きましたが、本隊に割り当てられたのは片手で数えられるくらいしかなかったので、毎回物凄く羨ましかったです。

車両行軍(夜間)

 先発隊は徒歩行軍の後、殆ど休む間もなく展開地へ出発します。

 想定では遠くに移動している事になっていますので、事前に決められた距離を演習場内部で走ってから展開地へ入ります。

 今回は夜間の車両行軍なので、訓練中は灯火管制が敷かれるためライトを使う事が出来ません。(公道を除く)
 そのため自衛隊車両には管制灯と呼ばれるものがあり、灯火管制のレベルに応じてほぼ無灯火で演習場の中を走る事になります。

 完全に無灯火ではありませんが、灯火管制下で使用できるのは「あそこに車両がいるな~」とギリギリ分かるくらいの淡い豆電球レベルの灯りなので、月明りを頼りに車を走らせます。

 写真は左がフロント側で右がリア側です。
 水色の丸で囲った部分が、上記の暗闇で車両の存在を認識するランプです。
 赤丸で囲った部分は灯火管制が緩い時に足元を照らすライトです。

管制灯

 山道で反対側は崖になっている箇所もあるため、夜目が利かない人にとってはかなり恐怖を感じるドライブです。

 余談ですが、一度夜間の車両行進で崖すれすれの道を走らせていた際、ドライバーが鳥目で道と崖の境界が見えず、崖の方にタイヤが脱輪してしまった事が有りました。
 車両が30度ほど傾き「あ…これは死んだかもしれない…」と思った瞬間、反対側の浮いていたタイヤがずり落ちた分道にしっかり噛んだのかそれ以上傾く事は無く、無事に道路に復帰出来ました。
 私の人生で死を覚悟した経験は何度かありますが、2番目に危なかった事件です。

索敵

 無事に展開地へ辿り着いたら、内部に敵が潜伏している可能性があるため、最初に展開地内を隅々まで索敵します。

 横一列になり同時に進む事によって隈なく捜索しますが、進めない程濃いボサ(やぶ)の中は迂回する事もあります。

 同時に車両を停めておく場所や、指揮所の開設場所も見繕っておきます。
 上空から暴露していない事や、周囲から見え難い事などが条件です。

索敵
引用元:6後支HPより

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