本隊の誘導案内(夜間)
先発隊が展開地に侵入してから約4~5時間後に本隊が到着します。
夜間はエンジン音が遠くまで聞こえやすいため、可能な限り素早く車両を停めておくのに適した場所に連れていく事が重要です。
事前に選定しておいた場所まで案内するため、両手に白い旗を持って左右に広げた隊員が車両の前を歩きながら簡単な手旗信号で誘導します。
人が左右に手を広げるのは、白い旗の範囲に車が収まっていれば安全だという事をドライバーに伝えるためです。
ちなみに昼間の誘導は、車両の速度が速いので走って先導しますが、車に追いかけられるような形になるので、転んだら轢かれそうで結構怖いです。
各種掩体の構築
本隊が到着すると人手に余裕が出来るため、今まで取り掛かれなかった掩体構築(穴掘り)が出来るようになってきます。
どの掩体にも共通する事項ですが、山では地面の下に水が流れている事が多く、既定の深さに達する前に水脈を掘り当てて水が湧いてしまうと、別の場所に掘り直しになります。
大体残り20cmからが鬼門で、終わりが見えてきた頃に「ジュプッ」という湿った音がエンピ(ショベル)を地面に突き刺した時に聞こえると心が折れます。
掘らなければいけない掩体(穴)
①歩哨壕
②抵抗線(小銃用掩体)
③退避壕(タコつぼ)
④対空掩体
想定が防御の時は指揮所を地下に作ったり、整備所を半分地下に埋めたりする事もあるのですが、今回は2夜3日なので時間が無い事や、重機を入れないと難しい物を割愛し、手掘りの4つを紹介します。
①歩哨壕
文字通り歩哨用の掩体です。夜間は2名体制になるので上から見ると
「〇=〇」(〇の所に人が入る)
のような形をしているので、メガネと呼ばれています。
敵からの射撃に耐えられるように、ライナープレートと呼ばれる鉄板を敵側に埋める場合もあります。
写真が無かったので13旅団のTwitterリンクを貼っておきます。
②抵抗線(小銃用掩体)
敵の攻撃をある程度防御できるように、敵の方向に対して土を盛ります。
形が1番複雑で広い地積が必要なため、草刈りや偽装が大変な穴です。
写真が無かったので、さぶろぅ様のTwitterリンクを貼っておきます。
本来は、2枚目の写真の銃が置いてある場所よりも右側を、天然の草で偽装をして敵から見えにくくします。
③退避壕(タコツボ)
敵から航空攻撃を受けた際などに逃げ込む穴で、指揮所や重要拠点の近くに配置されている人数+1つ掘ります。
直径1m、深さ1mの円柱状に掘れば良いだけなので、掘りやすい地質なら1人でも1時間程度で掘り終わります。
④対空掩体
対ヘリコプターや固定翼機(戦闘機、爆撃機など)の為に掘る穴で、どの方向から来ても対応できるようにドーナツ状に掘り、中央に重機関銃(キャリバー50)を設置します。
ヘリはともかく、文字通りマッハで飛来する固定翼機は撃ち落とせたら奇跡だと思います。
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